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三条サポステの利用者が文章作成の練習に用います。


by sanjobunshou

俳句のすすめ(~・視覚に頼り過ぎている現代人へ~)

 私は俳句を詠むようになって、2年になります。俳句は感性を豊かにします。五感を駆使して自然を感じ、それを五・七・五の17文字の文章にして季節を表す季語を入れることによって俳句になります。
 現代人は視覚に頼り過ぎていて、他の感覚が衰えていると聞いたことがあります。それは感性が衰えている傾向にあると言えます。そこで私は視覚にばかり頼り過ぎている現代人に俳句をお勧めします。

 そもそも私が俳句を始めるきっかけとなったのは新潟サポステと三条サポステとの合同合宿でのワークショップでした。確か2007年11月のことだったと思います。妙高で三条サポステと新潟サポステの利用者が合同で合宿をしました。
 合宿中、いろんなことをしました。その中のひとつに、妙高の自然の中を散歩して俳句を一句詠んでみましょうという企画がありました。もちろん、合宿参加者は全然俳句なんて詠んだこともない人ばかりでした。もちろん私も当時は、俳句については五・七・五の17文字の文章を作ることとしか知りませんでした。なかなか強引な企画でしたが、私はとても衝撃を受けました。この企画の意図は「いかに現代人が視覚に頼り過ぎているか!いかに他の五感が衰えているか!」それを気付かせるためのものでした。
 自然の中を散歩して途中で足を止め、目を閉じて視覚以外の五感で自然を感じてみて、その感じたものを具体的に表現する手段として俳句にするというプロセスでした。
 視覚以外の五感で自然を感じてみようとすると、どれほど我々現代人が視覚に頼りすぎているかが分かります。そして視覚以外の五感で感じたことを具体的に文章で表現する難しさが分かります。

 もう秋も半ばです。紅葉のシーズンですね。視覚で自然の移り変わりを感じますね。
 では、最近あなたは視覚以外で自然を感じましたか?
・聴覚で自然をかんじましたか?
・嗅覚で自然を感じましたか?
・触角で自然をかんじましたか?
・味覚で自然を感じましたか?
 覚えのない人は視覚以外の五感が衰えているかもしれませんよ!そんなあなたに俳句をお勧めします。俳句で感性を豊かにしてみませんか?

 では俳句とは一体どういうものなのでしょうか?
 俳句の原則は有季定形です。上五、中七、下五の五・七・五文字の計17文字の文章を作り、その文章の中に季節を表す季語を入れるのが、俳句の原則です。
 17文字に収める際の注意点として、拗音(「しゃ・きゃ・ひょ」などの音)は一文字としてカウントします。長音と撥音(のばす音「ー」と「ん」の音)は一文字としてカウントします。促音(小さい「っ」」などのつまる音)も一文字としてカウントされます。
 やはり俳句は難しそうと思われるかたもいらっしゃるかもしれませんが、彼の有名な俳人、松尾芭蕉は「俳句は三尺の童にさせよ」といっています。「三尺(1メートルほど)の背丈の子供にやらせるのがよい」というのです。子どもの、見たままの無邪気な表現こそ俳句には大切なのです。
 それに俳句にも例外があります。原則は有季定形で詠むこととされていますが、無季定形俳句、有季自由律俳句、無季自由律俳句などもあります。簡単に言ってしまえば、感じたことを簡潔な言葉にすればそれでよいのです。
 例えば、
◆コスモスひょろりふたおやもういない   渥美 清
などがあります。寅さんで有名な渥美清さんの「渥美清句集 赤とんぼ 本阿弥書店」からの揚句です。
 リズムが七四五と定型を外しています。中七は「ふたおや」と四文字で敢えて寸足らずな表現ですね。「ふたおやは」と五文字で表現できなくもないですが、あえて字足らずにしたところに、亡き両親への想いが余白に感じられます。寅さんらしい自由奔放な一句ですね。それでいて、人情深く、不器用そうな人柄を感じさせてくれる句です。
 さあ、あなたも一句詠んでみませんか?(H.K)
by sanjobunshou | 2009-10-16 15:13 | 利用者の文章